未来人のための・宇宙の神学

猫の神学は終了しました

幽霊の物化

幽霊を肉眼で見ていた経験から言うと、彼らは明かに霊界の意志で消えたり現れたりしているようです。少なくともその幽霊は操られていました。

最初その男(50歳ぐらい)は自宅の玄関扉を開けて私(小学生)に声を掛けてきました。

 


「お前一人か?」と言うのです。
ほぼお昼時間だったのですが、家には私一人で留守番をしていたのだと思います。
危ないと思った私は「裏に皆がいるよ」と言い返しましたが、男は疑い深く聞き耳を立てていました。
敷居をまたがないのはある程度の抑止になったのですが、土間の中での距離は裏木戸までより男との距離のほうが近いので逃げ出す判断ができませんでした。
「誰もいないようだな・・・」
男はそういって玄関の戸をさらに大きく開いて片足を入れてきました。
ですがその時になって急に男の足元が消え始めたのです。
私の見ている前で、男の腰までがあっという間に消えてしまいました。
男は首を垂れ、腹の下部で輪切りにされた自分の身体に見入ったまま立ちすくみました。
「しまったぁ~、しまったぁ~。」
男はそういって両足のない体で庭先を横切り村道の端に立てかけていた自転車に飛び乗り逃げていきました。

その日の夜、私はこの男の夢を見ました。
男は村の役場方向に向かっている女性の自転車に付きまとっていました。
どうやらその自転車が欲しかったのだろうと思われます。
急に男の右手だけが物質化しました。
男はこれ幸いと思ったらしく近くに落ちていた木の枝をつかみ取り、その枝先を後輪に突っ込んだのです。
走っていた自転車はどんなブレーキ操作よりも急激に停止し、乗っていた女性は地面に叩きつけられて一瞬意識を失ったようです。

たぶん件の男が乗っていた自転車はこの女性から奪ったもので、自身が消えてしまうたびに自転車を隠しながら村中を走り回って遊んでいると言う奇妙な幽霊だったようです。

この件で私が推理したことは、現界の人間のカルマが幽界の人間の働きかけで引き起こされたりしているのだろうということです。
この場合は女性は重症負い、しかも当時かなり高額であった自転車を盗まれてしまうと言う報復のカルマにあってしまった訳です。

このようカルマの働きは本来は起きないのですが、女性の指導霊がカルマの解消を早めるために操作したのだろうと判断しました。

この男はその衣服から戦中前後に生きていた人物で軍服姿ではなかったので、村で貧乏な生活をしていて、たえず自転車が欲しくてしかたがなかった子供のような性格の人物であろうと想像しました。

問題はこの幽霊の物質化メカニズムをどう考えるかです。
扉を開けたり、自転車に乗ったりするわけですからその肉体は「斥力」を与えられている訳です。
「斥力」、つまり「空間占有」が出来るという事です。

しかし我々現界の人間が持つ肉体でないことは明かです。
輪切り状態で血も流さずに歩き回ったり出来るという事は、単に描画されているだけと考える方が正しいと思いました。

つまり三次元世界での「空間占有」力を持っている描画状態の肉体で現れるのが幽霊の正体だという事になります。

今ならあの輪切り状態の下腹部を下方向からしげしげと覗き込んで内臓がついているのかを確認したと思います。
たぶん身体の表面だけを描画しているので内部は黒塗りにしてあるのかも知れませんし、光の渦が波打っていたのかも知れません。

こうした現象を現代風に考えるなら、身体を描画するメインコンピューターがこの世かあの世のどこかに存在していて、そのプログラムが霊界や神界の高位の<霊>の働きかけで発動しているのだろうということになります。

守護霊たちも一瞬にして物化できる訳ですが、やはり肉体そのものを再現しているのではなく、「空間占有」オプションで動作する身体描画プログラムを走らせているだけであろうと推測しています。