未来人のための・宇宙の神学

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石屋に化かされた世界

ゼロ戦戦艦大和の建造、白物家電ハイブリッドカーの大量生産まで、何も日本人が特段に優秀だから出来たのではない。

それは石屋の仕組みとして世界諸民族からの優秀な人材の転生配置が計画・実行されていたから成しえたのであり、もしこの石屋の仕組みを全否定してしまったら日清・日露戦役の段階かそれ以前にこの国は潰れていただろう。

そうは言っても石屋の仕組みがすべて正しいと言う訳ではない。

 


事実、世界大戦後すぐに開かれたシャンバラ評議会において、速やかなる石屋の仕組みの停止を発議した大師が存在しているのである。

それはイギリス民族国家の指導者である世界監視者(仮称)である。
だがこの提案に対してすべての大師が無言のままであったと言う。
誰一人として何も答えず、何一つ賛否の意見すら示そうとはしなかったのである。

そもそも世界監視者がこの提案を行ったのには理由があった。

・・・いまや十分な生産力がもたらされ、大量の人口群がこの地上で活動をはじめる準備が整えられた。
この物的富と(艱難開始までの)平和の期間を利用して多くの人類に書物に親しむ時間を与えたい・・・。
この方はそう考えられていたようである。

今我々は自宅にPC(動画再生・計算処理)をもち、外出時にはスマホを利用して通信や買い物を楽しんでいる。
戦後社会における石屋の謀の主要な目的はこうした人体機能(見る聞く語る動く)の外部延長性を飛躍的に高めることだったと思われる。
(究極的にはAIを搭載したヒト型ロボットが個々人の外部人体となる)

こうした産業上の成功を収めるためには、大衆レベルでそれを訴求させるためのマインドコントロールが必要となる。
社会的需要が喚起され商業的に成功しなければ、この新たな産業は成立しない。

ビデオ製品の爆発的売り上げと普及、それが終了するとPC価格の大幅下落が起きるとともに高機能化がもたらされ、ビデオテープに代るDVD周辺機器やネット関連商品の市場氾濫へと至った。

こうした商業上の成功においてカギとなったのが「漫画」であり「アニメ」であり「ゲーム」であり、こうした<画像>に熱中するマインドを一般大衆に植え付ける政策が前段階で実施されたのである。

石屋のリーダーはハード面の技術者達だけではなく、「作画」集団(作家に近い美術家)までを事前に手配して成功できるような仕組みを作り上げていたという事である。
個人名こそ誰とは述べられなかったが、この評議会においてアルキメデス大師は「漫画の神さま」手塚治虫を最大限の賛辞を持って紹介され、このような人物を日本に生まれ変わらせることが出来て誇らしいと演説されていた。

またこの大師は他惑星の科学者とも交信されていて、人類科学を究極の高みに押し上げることに最善を尽くされていたようである。

私はこうしたことを一時的に霊視できたのだが、世界監視者は科学的知識の促進よりも遥かに重大なことに気づかれていた。

「今の人類に決定的に欠けているのは、言葉を理解する能力である。
何故あの時あの人物はあの言葉を用いたのか。
何故その時その人物はその言葉で彼の心を伝えようとしたのか。
そうしたことを理解する能力が今の人類には決定的に欠けているのだ。
私はこの機会(戦後世界)を利用して人類が書物に親しみ、言葉を理解する力を作り出したいのだ。
惜しいではないか、これほど多くの人類にその好機が訪れたと言うのに・・・」

山上の垂訓から2000年の時が流れた今日、わが大師は人類最大の課題を突き止められてこのように語られたものである。

しかしひとり盟友と頼む釈迦大師でさえ無言を貫いたためか、世界監視者は孤立無援のままこの提起を自ら棄却することになってしまった。